川崎市川崎区の遺品整理事情
川崎区は、川崎駅より南の海に面した工場地帯で、港には大きな貿易関連のヤードや工場があり、ゴム通りなどの太い道路を大型コンテナトラックが終日走ります。我々のトラックは、その隣をドキドキしながら毎日運転しているわけで、お天気の悪い日は本当にたいへんです。
さて、繁華街のあるJR川崎駅は京急川崎駅と隣接しており、このあたりでは飲み屋さんにお勤めの若い女性から、お引越に伴う冷蔵庫や洗濯機、乾燥機などの不用品回収に呼ばれることが多くあります。また多摩川沿いには川崎大師があるせいでしょうか、中瀬、川中島、大島あたりでは、逆におばさまからのご依頼を多く頂戴します。中身はテレビやファンヒーター、タンスなどがメインですが、たまに鳥小屋・犬小屋なんてものも出てきます。今はペットにも遺品整理が必要な時代なのかも…
さて、今回の遺品整理のご依頼は、お一人暮らしのご親族がご逝去後2階建ての古いアパートのお2階の片付け整理です。
現場である川崎区は、とにかく建物が密集している地域です。このような現場は、まず作業前にご近隣へ丁寧に挨拶をすることが大切、そしてカラーコーンを設置し事故の無いよう安全確保から始めます。
さて、ご依頼はお部屋を月末までに返却しなければならないお急ぎの遺品整理です。台所には不用になったプラ、金属、衣類が既にゴミ袋にパッキングされていました。遺品整理というのは、全ての方が初めから業者に作業を依頼するのではなく、ご親族一同でお片付けに入るケースもままあります。特に1DK以下の場合は「自分たちだけでできる。」と思われる方が多いのです。しかしいざパッキングを始めると、こりゃ並大抵のことでは終わらないということに気づき、それから急遽我々にご依頼が入るわけです。1DKといえどもお品物が多い場合は、2トン車いっぱいの粗大ゴミが出ます。
しかも今回はお台所の油汚れが半端じゃなく、トイレお風呂もかなり汚れた状態…
賃貸の現状回復は、日常生活の汚れはお掃除不要ですが、台所のベトベトの油汚れと、トイレのひどい汚れ、お風呂場の真っ黒くなったカビは借主の責任となり、最低限の清掃が必要になります。この長年にかけて積もった汚れは、市販の家庭用洗剤ではまず落ちません。そこで遺品整理に加えて掃除のご依頼となりました。
遺品整理と清掃作業は、まずお部屋に山積した不用品を分別し、パッキングするものとそのまま搬出するものとに分けて段取りよく搬出します。お約束の冷蔵庫、洗濯機、エアコン、そして一人暮らしの方にありがちな万年ベッドとパソコンとリサイクル分別して手際よく運び出しだし、そして最後が清掃。時間にして約5時間のお仕事でした。ありがとうございました。
息子が亡くなって、アパートを片付けることになりました。長男夫婦がお片づけしてくださる業者さんを手配してくれました。汚れていたお部屋でしたので清掃を希望しました。トイレもキレイにして頂いて気持ちよくご返却できます。
遺品整理という仕事を生業としておりますと様々なお客様よりのご依頼を頂戴いたします。
ご自分の分身を亡くされるという現実は、どのようなご事情があれこれほどの悲しみはないことでしょう。
そのようなご事情でも、お母様は淡々としておられ、作業終了後、感謝のお言葉を頂戴いたしましたが、ご返答の言葉がみつからないものです。私どもは、ご希望にご用命に沿うように作業を粛々と進めてさせていただくしかありません。ご冥福をお祈り申し上げます。